ジャイロセンサの仕組み

ジャイロセンサは、物体にかかる角速度を計測することのできるセンサです。

物体の回転運動や姿勢状態を知るために使われています。

この記事ではジャイロセンサの仕組みについて解説します。

ジャイロセンサの仕組み

ジャイロセンサの仕組みには様々なものがありますが、ここでは代表的な次の2つの方式について解説します。

  • 回転型
  • 振動型

他にも流体型や光学型などが存在します。

回転型

フライホイールを回転させ、姿勢の変化に対する慣性力を測定することで角速度を計測します。

回転しているフライホイールの姿勢が変化すると元の姿勢に戻ろうとする力が働きます。

これはジャイロ効果によるものです。

姿勢の変化に対し、ジャイロ効果で慣性力が加わるため、これを測定することで角速度が分かります。

振動型

現代のMEMSセンサで多く採用されている仕組みが振動型です。

振動型のジャイロセンサでは、回転座標系で働くコリオリ力を利用して角速度を計測します。

角速度\(\boldsymbol{\omega}\)で回転する回転座標系において、速度\(\boldsymbol{v}\)(回転系から見た速度)で運動する物体には次のコリオリ力\(\boldsymbol{F}\)が作用します。

\[\boldsymbol{F} = -2m\boldsymbol{\omega}\times\boldsymbol{v}\]

つまり、回転軸と運動方向に垂直に力が働きます。これを検知するのが振動型です。

ここでは、静電容量によって力を検知する方法を紹介します。

上の図で、左側は固定された電極で、右側の電極は横方向に振動させておきます。

ここに回転が加わると、

振動方向と回転軸に垂直な方向にコリオリ力が働きます。

これによって移動した可動部の変化量を、C1、C2の静電容量を計測することで算出します。これによって角速度が分かります。

静電容量以外にも、圧電素子を使用して計測する方式もあります。

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