地球観測衛星

この記事では,地球観測衛星について解説します.

目次

地球観測衛星とは

地球観測衛星は,地球や地球周辺の現象の観測を行う衛星です.地球観測衛星によって得られたデータは地球の理解のために研究に役立てたり,私たちの生活を便利にするために利用されます.また,人類の活動が地球環境にどのような影響を与えているのかを調べることも行われています.

地球観測衛星の歴史

地球観測衛星の歴史は1946年まで遡ります.

1946年10月24日,アメリカ・ニューメキシコ州にあるホワイトサンズから打ち上げられたV2ロケット(第二次世界大戦中にドイツが開発)に1台のカメラが搭載され,世界で初めて宇宙からの地球の映像を取得することに成功しました.

1957年には旧ソ連が世界初の人工衛星であるスプートニク1号を打ち上げ,宇宙から電波を送信することで電離層の観測を行いました.

1958年にはアメリカがエクスプローラー1号を打ち上げました.これには宇宙線検出器が搭載されており,この計測結果からヴァン・アレン帯の存在が発見されました.

同じく1958年にアメリカがヴァンガード1号を打ち上げ,その軌道の変化から上層大気の観測を行いました.

1957年から1958年は国際地球観測年と呼ばれ,国際的に科学研究が進められた時期でした.

その後,1959年に打ち上げられたヴァンガード2号は,世界で初めて地球観測を主な目的とした衛星でした.衛星として恥えめて光学センサを搭載し,地球の撮影を目的としていました.打ち上げから19日間にわたって機器は正常に動作しましたが,打ち上げロケットであるSLV-4の3段目の推力によって衛星の姿勢が不安定になり,有効なデータを得ることができませんでした.

1960年にはアメリカがTIROS-1を打ち上げました.地球を撮像した画像を地球に送信した,世界初の気象衛星になります.これによって衛星で気象観測を行うことができることを示しました.

TIROS-1が撮像した地球(Credit: NASA)

参考文献

地球観測衛星の種類 – JAXA 第一宇宙技術部門 Earth-graphy
https://earth.jaxa.jp/ja/eo-knowledge/eosatellite-type/index.html

Fifty Years of Earth Observation Satellites

Earth Matters – Vanguard II Turns 60
https://earthobservatory.nasa.gov/blogs/earthmatters/2019/04/23/vanguard-ii-turns-60/

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