QPSKはQuadrature Phase-Shift Keyingの略で、4つの位相を使う位相偏移変調方式です。
QPSKの信号は次の式で表されます。
\[s(t) = A\cos{(2\pi ft+\phi)}\]
ただし、\(A\)は搬送波の振幅、\(f\)は搬送波の周波数です。
\(\phi\)は信号に応じて変わる位相で、
- 11のとき\(\phi = \pi/4\)
- 01のとき\(\phi = 3\pi/4\)
- 00のとき\(\phi = -3\pi/4\)
- 10のとき\(\phi = -\pi/4\)
になります。
また、\(s(t)\)を展開すると、
\[
\begin{eqnarray}
s(t) & = & A\cos{(2\pi ft+\phi)} \\
& = & A\cos{(2\pi ft)}\cos{(\phi)} – A\sin{(2\pi ft)}\sin{(\phi)} \\
& = & \frac{I}{\sqrt{2}}A\cos{(2\pi ft)} – \frac{Q}{\sqrt{2}}A\sin{(2\pi ft)}
\end{eqnarray}\]
と書くことができます。ただし、\(I = \sqrt{2}\cos{\phi}\)、\(Q = \sqrt{2}\sin{\phi}\)で、次の条件を満たします。
- 11のとき\(I = 1, Q = 1\)
- 01のとき\(I = -1, Q = 1\)
- 00のとき\(I = -1, Q = -1\)
- 10のとき\(I = 1, Q = -1\)
つまり、QPSKは90度位相のずれたBPSKの重ね合わせと考えることができます。
この時の、それぞれのBPSK信号をIチャネル、Qチャネルと呼びます。
この式を使えば、QPSKの信号は次の図のようになります。