温度を測る際に広く使用されている温度センサの1つに熱電対があります.
熱電対はその測定範囲の広さや強度から,衛星の熱真空試験などでも使われます.
ここでは熱電対の測定原理と種類について解説していきます.
熱電対とは?
熱電対(Thermocouple)は,2種類の異なる金属を対にすることによって温度を測定するセンサです.
図のように,種類の異なる金属Aと金属Bを組み合わせています.
測定物の温度を測る点のことを測温接点または温接点と呼びます.
金属Aと金属Bのもう片方の端のことを基準接点または冷接点と呼びます.
測温接点を対象物に当てた状態で,基準接点の電圧を測定することで測定物の温度を測ることができます.
熱電対の構成は以上ですが,なぜこれで温度が測れるのかについて解説していきます.
熱電対の原理
熱電対の原理を説明するための基本としてゼーベック効果(Seebeck Effect)というものがあります.
ゼーベック効果とは,金属に温度差が加わるとそこに電圧差が生まれるという効果です.
このゼーベック効果は金属の種類によって度合いが違うため,2種類の金属を組み合わせることでその電圧から温度を測定することができるというわけです.